2019年4月19日(金) 地図の日に思う

写真1 伊能忠敬銅像(富岡八幡宮)
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写真2 「伊能忠敬北海道最初の測量地」石碑(函館山山頂)
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上の2枚の写真は、伊能忠敬が測量の旅に出る前に参詣して旅の無事を祈願したという東京・深川の富岡八幡宮と、蝦夷地(当時まだ北海道とは呼ばれていない)に上陸して最初に測量した函館山で撮影した写真です。
いずれも観光で訪れた際に偶然見つけました。

4月19日は「地図の日」です。
伊能忠敬が最初の測量に出発した日だそうです。

ということもあって、小中学生のほとんどの生徒に白地図のプリントを配って、主要国と都道府県(および県庁所在地)が書けるかをチェックしました。今月はテストがないのでこういうことに時間を割くにはちょうどいい時期ですね。
チェックだけが目的ではありません。「覚える」訓練をするためで、これは社会科に限らずどの分野にも必要な能力です。

以前から再三言っていることですが、国名だとか県名だとか、地理の基礎基本にあたるものが書けない子が本当に多いのです。
4~5年前の中学生だとスラスラ書ける子が何人もいましたが、最近の学校教育は暗記を避けるような傾向があるからでしょうか、書ける子が少なくなりました。こうやって覚えさせる機会を設けないと書けるようにはなりません。

ではなぜ覚えなければいけないか?
地名というのは、地理を理解するのに必要な「言語」だからです。
どの分野を学習するにしても、言語がわからなければ理解することもできませんし、思考することもできません。だから小学校で読み書き計算の学習をするわけですが、社会科の場合はまず地名です。
最低限覚えておかなければならない国、都道府県、都市、山地、河川、平野等の名称が頭の中に定着していることで、社会科における理解や思考が可能となるのです。社会のテストで点が取れない人は、小学生の時にこれらを暗記する訓練をしていません。

暗記を強制するのは詰め込み教育で、これは良くない。これからは思考力だ。暗記ばかりしているから思考力が育たない。主体的に行動できる人材が必要だ。アクティブラーニングだ。

などという人も多いのですが、地名を覚えさせるのは詰め込み教育などではありません。算数でいえば九九や面積の公式みたいなもので、最低限覚えさせなければいけない情報です。
そして暗記が思考力を育てる教育と対立するということもありません。むしろ思考力を育てたければ暗記は積極的にすべきです。

新元号が発表されたときに、元号は日本独自の文化であるとして、「平成、昭和、大正、明治と名前がついていることで、その時代にどんな出来事があったかイメージしやすい」というコメントを新聞か何かで見ましたが、
これは奈良時代だとか室町時代等の時代区分名称にも言えることですし(これも小6以上には覚えさせます)、地名についても同じことが言えます。
名前を記憶し、それが地図上ではどこにあるかを記憶しておくことで、どんな産業が盛んか、どんな農作物が取れるかがイメージしやすいのです(イメージするというのが「思考」の第一歩ですね)。
地名と地図上の位置を全く言わずに、「造船業が盛ん」であることをイメージすることはできません。

地名と位置が頭の中に定着していることで、そこで行われている人々の活動や地形、自然環境等が結びついてイメージしやすくなる。そして高度な思考も可能になるのです。

地名が基礎・土台なら、その土地の自然環境や産業などの、覚えるべき大量の情報は建物になります。当然土台が盤石でないと建物は建てられません。

写真は今日の小学生の授業中(正確には訓練中)の様子です。
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6年生の子が都道府県のプリントに回答しているところです。


この様子を客観的に一言で表すと、

ただ書いているだけ

ということになります。
授業っぽくないですね。

個別指導の授業はやはり
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こういうイメージです。
個別指導塾を選ばれる方にはこのような、いかにもたくさん教えてもらえそうな授業を好まれる方が多いと思いますが、うちの場合は体験授業時のご説明で「たくさん教えてもらえば成績が上がる。それは錯覚です。そんなのとは違って、訓練です」と言っています。

正直、見た目なんかどうだっていいと思います。
力をつけさせることが重要で、形式にこだわっている場合ではないです。
ただ書いているだけではないですしね。

応用力は基礎が盤石になることで芽生えるものですが、盤石な基礎は言い換えれば「基礎基本スキルの自動化」です。白地図を見ただけで瞬時に答えられるまで訓練が必要です。
それを身につけるための訓練をしています(写真では伝わりません)。
効率よく覚えることを体得してもらいます。

まじめな人ほど陥りやすいのが、正確に覚える=ゆっくり丁寧にやることだと思い込んでいること。
そうではなく、覚えるためには集中力が必要→集中力を働かせるためには早く(速く)テキパキこなすこと→それを反復訓練して質を上げる(効率よく覚える)。
昨年度から在籍している子たちはこれができつつあるのですが(まだ完成したとは言わない)、この春から通い始めた子は遅いですね(みんな真面目です)。

写真の小学生の子は80分の訓練なのに、部活の練習をみっちり3時間くらいやった後のような、「やりきった!」という清々しい表情で帰っていきました。

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