2020年7月14日(火) 来年度のビッグイベント

先週まで2週間にわたって前期保護者面談を実施してまいりました。
その際に一部の保護者様にはお話ししましたが、来年度、中学校では数年に一度のビッグイベントがあります。



教科書が変わります。



教科書は4~5年に一度のペースで変わりますが、今回の英語教科書の改訂は特に凄いです(数十年に一度レベル)。

ご存知のように今年度から小5・小6で英語が教科化されました。
今までも小学校で英語の授業はありましたが、正式な教科ではありませんでしたので、
あくまでも学校の授業における英語スタート地点は中1の4月でした。
それが小5になったということです。ですから小5・小6で習った英語が定着しているという前提で中学校の英語が始まります。上の学年からの前倒しもあります。中3の最後はこれまで「関係代名詞」でしたが、その後に「仮定法」が追加されます。次から次にいろいろなことを習うので、十分な咀嚼がないまま詰め込むことになって、消化不良を起こす(早い話が授業についていけなくなる)のではないかと心配になります。

では今の小学生が、この詰め込み式の英語教育に対応するためにはどうすればよいでしょうか。

誰でも思いつくのが、「幼少期から英語を習わせる」ことだと思います。
私はこれに関してはどちらでもいいと考えています(体を鍛えさせたいから運動系の習い事を優先させたいという方も多いですよね)。私は今でも小学校で英語の授業をする必要はなくて、「中1デビュー」でもいいと思っています。でもこれには「ある前提」があります。

余談になりますが、何年も前にある雑誌のコラムである方が(IT企業の経営者だったかと思いますが)、「ある国ではプログラミング教育が発達している。日本でも小学校からプログラミングの授業を!」みたいなことをおっしゃっていましたが、この方は学校教育の専門家ではありません。だいたい「身につけさせたいものは何でも早めに」なんて言ってたら小学校のカリキュラムがパンクします(すでにパンク気味です)。「早めに」「前倒しで」という発想自体が間違っています。物事には優先順位があります。

英語の授業も、「身につけさせたいから早めに」で身につくわけではありません。
中1デビューでも間に合う「ある前提」というのは、小6までに「理解力」をつけておくことです。
授業を聞いてその内容が理解できるのであれば、詰め込み式で多少進度が早くてもついていけます。
理解できないのは理解力がないからです。
当たり前すぎる話で申し訳ないのですが、そういうことなのです。

「理解力ってどうやってつけるの?」という声が聞こえてきそうですが、私は理解力=基礎学力だと思っています。
やはり「読み書き計算」が中心になります。
学年配当の漢字がほとんど読める、意味が分かる、正しく書ける。
計算が、早く正確に(←これ超重要)できる。
これに加えて、
ローマ字が書ける(できればヘボン式)。
おもな国名や都道府県名が言える、書ける。
おもな動植物の名前が言える。
などなど。
全教科の基礎基本をしっかり身につけなさいということです。

小4までにこの基本訓練を徹底する(何度も繰り返して習熟度を上げる)ことです。
「英語の対策だから英語を」というわけではないのです。​もちろん早期に英語教育を開始することは悪いことではありませんが、その前提として教科の区別なく、基礎基本の訓練をみっちり積んでおく必要があるということです。
「理解力=基礎学力」は基礎基本の訓練を継続して身についてくるものです(だからそれなりに時間がかかる)。
計算や言葉(基礎知識)は、学年が上がって高度な学習をするようになったときに必要となる道具です。
漢字や地名、動植物について覚えさせるというのは記憶力の形成にもつながりますし、きちんと勉強するのだという意識、習慣を作ることにもなります(漢字を覚える習慣のない人が、英単語を何度も書いて練習するようにはなりません)。

現状の小中学生の漢字の定着率とか、先日もブログに書いた「鉛筆の持ち方」なんかを見ていると、英語の授業を小5に前倒ししたところで身につくとは到底思えません。
現状では公立の小学校は学力をつけるところではありません。ただ授業をやっているだけです。
常にお子さんたちの学力について気を配って、日常生活が学力がつく方向に向かっているかご自身でチェックする必要があります。


最後に、うちの英語のカリキュラムをどうするか。
「中1から」が「小5から」に教科書が変わってしまった以上、それに合わせていくしかありません。
毎年4月に、「英語初心者(=英語塾に通っていなかった子)」には入門編にあたる特訓をしますが、
前倒しするしかないでしょう。でもそれ以上に、各教科の基礎基本(もちろん英語も含めて)訓練を充実させていきたいと思います。

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