2023年7月5日(水) 物事には段階というものがある(1)

これは中学校での出来事ですが、小学生の子たちにもかかわる話なので、先日の保護者面談ではすべての保護者様にお話ししました。

ある中学校の中間・期末テストで、中1社会の平均点が2回連続で40点でした。
こういったことは残念ながらたまにあります(2回連続はやりすぎです)。

中3の数学や理科ならまだわかりますが、中1の社会で平均点が40点というのは、これはやはり異常です。

原因は二つあります。

一つは、出題のレベルが高度すぎること。
高校入試のような出題形式(レイアウトまでそっくりだったり、入試問題をそのままパクったものもある)になっています。

中1の1学期ですから、生徒のみなさんはつい最近まで小学生でした。
なのにこの高校入試みたいな形式。
おかしいと思いませんか?

高校入試のような形式のテストはずいぶん前からありますが、
近年のテストは特に酷いと思います。

いずれ高校を受験するので、その対策として中1から入試の形式に慣れさせようということなのだと思いますが、
発想が安直すぎます。指導のプロがすることではありません。

公立高校がマークシート形式になると発表されたときに、中学校もマークシート形式を導入するのではないかなと思ったら、
案の定昨年度から一部そうなりました。

出題者の意図としては、
「生徒のために高校入試の対策をしてあげてますよ。」ということを保護者や上司にアピールしたいのか、
「高校入試と同じ形式にすることが入試対策となり、それが生徒のためになる」と考えている
かのどちらかだと思われます。

前者であれば、これはもう論外です。
後者であっても、本気でそう思っているのであれば、大問題です(その人は指導者とはいえません)。

物事には段階というものがあります。
成長させたいなら、レベルの低いところから徐々にステップアップというプロセスを踏ませなければなりません。
指導というものを心得ている人なら、
成長の段階を無視した、このような出題形式にはしません。


テスト問題が高校入試と同じ形式だから生徒のために高校入試対策をしてくれているように見えるかもしれません

が、

そう見えるだけです。

高校入試と同じ形式にしたところで、高校入試対策にはなりません。
そんな形だけのものでは、生徒のためにはなりません。
ステップアップということ考えずに、最初からいきなり受験生がやるような高度なものをやらせるのは、指導ではありません。

入試の形式に慣れさせたければ、別の機会に(iテストなどの実力テストで)すればよいのです。

高校入試は、正式には「入学者選抜」といいます。
その学校にふさわしい学力の人を選び抜く(ふさわしくない人を落とす)ための試験です。
学校の定期テストは、最近学習したものの達成度を確認するために行われます(そしてこれをもとに成績をつける)。

また、入試は、長期間の練習を経て、練度を高めた「熟達者」が集う大会です。
定期テストは、練習期間がせいぜい1~2ヶ月間の、「初心者」が集う大会です。

趣旨が全く違うのです。

初心者に熟達者のレベルを期待しても、それは無理というものです。
4月に入社したばかりの新入社員に対して、10年目のベテランと同じ成果を上げろと言っているようなものです。
成果を上げろと要求しているばかりでは、新入社員は育ちません。
研修などで基礎の基礎から、レベルの低いところから徐々にステップアップさせていかなければなりません(私も指導する上では、徐々にステップアップすることを心がけて指導しています)。

この「入試型定期テスト」の問題点は他にもあります。

入試型定期テストでは、出題範囲の学習内容の他に、長期間練習しないと身につかないような高度なスキルが必要となります。

出題範囲の知識が身についていないから点が取れないのか、
出題範囲の知識は身についているけど、高度なスキルの方が身についていないから点が取れないのか、

その辺がはっきりしなくなることです。
定期テストの出題内容・形式は、もっと普通でいいと思います。
直近の学習内容が身についているかがわかるように。

この現状をどうしたらいいか?
まず、「これはおかしい」と、学校側に伝えた方がいいと思います。
お子さんたちのためになっていないのですから。

そして学習面ではどのようなことを心がけて勉強していくか…
平均点が異常に低くなった二つ目の原因とともに、次回のブログで書きたいと思います。

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